★この記事を読むと、フランスの哲学者「アンリ・ベルクソン」の主著の1つ『意識に直接与えられたものについての試論』が読みたくなります。
★『時間と自由 (岩波文庫)』の通称でも知られる。
★詳細はこちら→『アンリ・ベルクソン - Wikipedia』
【自由意志と生の創造性】
①『質的多様性』
ベルクソンは、我々の体験や感情は分析的に簡単に分割や量化できるものではないと主張します。彼によれば、真の体験は連続的で、質的なものであり、単純な量的なものではない。これは、例えば、幸福や悲しみといった感情を単なる量や程度として捉えることの不可能さを指摘するものです。
②『持続的な時間 vs 数学的時間』
ベルクソンは、時間には2つの側面があると考えています。一つは私たちが日常的に経験する持続的な時間、もう一つは測定や計算に使われる数学的な時間です。前者は主観的で連続的、後者は客観的で離散的です。
③『自由意志』
ベルクソンは、我々の意識の中に自由意志が存在すると主張します。彼によれば、我々は未来の出来事に対して自由な選択を持っており、この自由意志は、定量化や予測が難しい質的な体験の中でのみ理解することができる。
④『直感と知識』
ベルクソンは、真の知識は分析や理論よりも直感を通じて得られると考えています。真の実体を理解するためには、それを直接体験し、その質的な側面を捉える必要があると彼は考えています。
⑤『生活と創造性』
ベルクソンの哲学は、生命とは本質的に創造的なものであり、常に変化し続けているという考えに基づいています。この視点では、真の生活とは、新しい可能性を追求し、新しい体験を創出することです。
【まとめ】
アンリ・ベルクソンの『意識に直接与えられたものについての試論』は、時間と意識の質的な性質を探求し、私たちの経験が単純な量的なものではなく、持続的で直感的なものであることを強調します。
ベルクソンは、真の知識は直感を通じて得られ、生命とは創造的で常に変化するものであり、この中で我々は自由意志を持つことができると主張しています。