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【本】『デカメロン』:中世イタリアの心情と文化を綴る100の名編

★この記事を読むと、中世イタリア・ルネサンス期のヒューマニストジョヴァンニ・ボッカッチョによる物語集『デカメロン』が読みたくなります。

 

★詳細はこちら→『デカメロン - Wikipedia

 

★詳細はこちら→『ジョヴァンニ・ボッカッチョ - Wikipedia

 

 

【あらすじ】

フィレンツェで猛威を振るっている黒死病を逃れるため、7人の若い女性と3人の若い男性が町を離れて一つの邸宅に避難します。

彼らは10日間過ごす間、互いに物語を語り合うことを決定します。

それぞれの日にはテーマが定められ、参加者たちはそのテーマに基づいて物語を語ります。

結果として、10日間で100の物語が紡ぎ出されます。

 

【中世イタリアの心情と文化を綴る100の名編】

 

①『独特の構成』

デカメロン』は10人の若者(3人の男性と7人の女性)が、黒死病から逃れるためにフィレンツェの町を離れ、10日間隠遁生活を送るという背景の下、各々が毎日1つの物語を語るという形式で構成されています。これにより、100の短編物語が紡ぎ出されるという独特の形式を持っています。

 

②『人間の愛と欲望の描写』

これらの物語は、恋愛、冒険、詭弁、そして時には風刺や社会の批判を含んでおり、中世の人々の日常生活や人間関係、欲望や感情をリアルに描き出しています。

 

③『中世の社会・文化のスナップショット』

デカメロン』は、14世紀のヨーロッパ、特にイタリアの社会や文化のスナップショットとしての価値があります。物語を通して、当時の生活、価値観、信仰、風俗、そして人々の関係性が vivid に再現されています。

 

④『鮮烈な女性キャラクター』

ボッカッチョの物語には、強く、知恵深く、時には狡猾な女性キャラクターが数多く登場します。中世の文学においては珍しく、女性が主導的な役割を果たす物語が多く描かれています。

 

⑤『文学的影響』

デカメロン』は、後世の多くの作家や作品に影響を与えています。特に、シェイクスピアのいくつかの作品やヨーロッパの短編物語の伝統において、その影響は明らかに見られます。

 

【まとめ】

ジョヴァンニ・ボッカッチョの『デカメロン』は、中世イタリアの独特の構成を持つ100の短編からなる作品で、恋愛や冒険を中心に日常生活や欲望をリアルに描写し、当時の社会・文化の深いスナップショットとして、鮮烈な女性キャラクターや後世に影響を与える文学的要素を持つ不朽の名作です。